商業登記とは会社・企業に関する一定の情報(商号や本社所在地・役員の方の氏名・資本金など取引をする上で重要な情報)を、商業登記簿に記録して、誰でも閲覧できる状態にしておくことで、商号、会社等に係る信用の維持を図り、取引を安全かつ円滑に行うことを目的とした制度です。
司法書士がどのように申請に関わるのか、大きく分けて3つご案内させていただきます。
設立時の登記により、初めて登記簿が法務局に備え付けられて、会社が誕生したと扱われます。
登記申請のためには、定款の作成・定款の公証人による認証、資本金の金融機関への払い込みなど、様々な手続きが必要となります。
商号が変わったとき、資本金を増額したとき、役員の方が変わったときなどは、既にある登記簿の内容を変更して、登記申請をする必要がございます。
会社を解散し、残った財産や債権債務を全て清算して営業活動を終えます。
清算結了の登記まで完了すると登記簿は閉鎖されます。
商業登記というと、「やらなければいけないから・・・」「面倒」というイメージをもたれている方が多くいらっしゃいます。
確かに単なる事務処理業務に陥りやすく、会社側から見るとコストが無駄だと感じてしまう傾向があることは否めません。
しかし、そのようなイメージに対して私たちは、法律や登記を「経営に活かす」という考えで業務に携わっております。
必要なことだからこそ、商業登記を上手に活用して、会社の信用増大や経営の安定につなげようという発想です。
商業登記を活用できるのは、新しく会社を設立した方・変更があった方だけではありません!
以下に当てはまる経営者様は、ぜひ一度ご検討・ご相談ください!
企業法務に関する手続き、議事録等の書類作成について知りたい方
事業承継やM&A、資金調達のために種類株式を利用することが可能です。
計画の段階で司法書士が関与することで、登記完了までがスムーズになります。
・合同会社、LLP、NPO法人などを設立したい場合
・有限会社を株式会社にしたい場合
・債務壌渡の登記申請をしたい場合
・医療法人・宗教法人などの法人の登記手続をしたい場合…などもご相談ください。
会社設立の基礎となる事項を決定します。
商業登記手続については、司法書士(または弁護士)のみ代理人になることができます。
会社の将来像を踏まえた上で決めていくことが望ましいので、司法書士に依頼する場合は、この時点から相談すると、この後の申請もスムーズに進められるでしょう。
【申請に必要な項目】
・会社名
・本店所在地
・事業目的
・役員
・決算月
・機関設計
・出資者、資本金の数、1株の金額、設立時発行株式総数、発行可能株式総数
会社の決まりが全て書かれている、「会社の憲法」とお考えください。
会社名や本店所在地、事業目的といった基本的なことから、株主総会や利益の配当などが記載されるものです。
最後に、発起人全員の実印を押印します。
作成した定款が法的に有効かどうかを認めてもらいます。
本店所在地の都道府県にある公証役場で認証を受けてはじめて、定款が効力を発します。
発起人は、定款に押印した実印の印鑑証明と、司法書士に認証を委任したという委任状をご用意ください。
資本金を銀行、信用金庫などの金融機関(郵便局は含まれません)に払い込みます。
これは出資者の大事な仕事で、司法書士が代理で行うことができません。
また、以前は払い込みが適正になされたことを証明する「保管証明」を金融機関に発行してもらう必要がありましたが、現在の新会社法では、発起設立の場合、発起人の代表者の口座に出資者の名義で振込み、その通帳の記載面のコピーにより証明できるようになりました。
発起人・各役員は作成した就任承諾書などの添付書類の押印と、印鑑証明書の取得を行い、申請書に添えます。
これで登記に必要な書類一式が完成します。
申請を行った日が、会社設立日、会社の誕生日になります。
設立の申請と一緒に、会社代表印の登録と、印鑑カードの交付申請も行います。
登記申請は各地の法務局で行いますが、当事務所へご依頼していただいた場合は、申請と出来上がり書類の回収はこちらで行います。
また、登記申請の窓口には「補正日」というものがあり、問題なく登記が進む場合の完了予定日がわかるようになっています。
万が一登記内容に不備があった場合、法務局から連絡がきます(当事務所にご依頼をいただいている場合は、こちらに連絡があります)。
そこで申請書の「補正」または「取り下げ」を行います。
【補正と取り下げの違いは?】
補正:内容の追加・修正をすること。問題がなければ、そのまま登記申請を進めてくれます。
取下:補正をしない場合、そもそも補正では挽回ができない場合は取下をするしかありません。
登記が完了すると、申請した内容が登記簿に反映されます。
登記簿謄本(履歴事項証明書)と、会社代表印の印鑑証明書を法務局に請求することで、反映された登記簿を確認することができます。
同時に、会社代表印の印鑑カードが交付され、これで正式に会社が設立したことになります。